助産師の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

5% AI浸透度(AI代替率)

助産師の仕事は、妊娠・分娩・産褥期の妊産婦と新生児ケアに尽きます。胎児心拍の聴取や子宮計測で発育状態を監視し、直接的なケアと家族計画サービスを提供する業務は、AI時代でも母体の状態把握と患者関係構築が不可欠です。診療録作成や学会情報の整理といった事務作業はAIがサポート可能になり、ケアに専念する時間が増えます。

助産師の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 5%
AIが関与するタスク 2件 / 21件
人間中心のタスク 19件
AIに代替困難な要素 危機対応・感情労働・対面対応
AI実装済み領域 5%
平均年収 583万円
求められるスキル 傾聴力・他者の反応の理解・指導
就業者数 約2万人

助産師とは

出産の介助、妊産婦の相談、妊娠から産後までの母子の保健指導を行う。

この職種のAI浸透度は5%。 21件の業務のうち2件でAIが活用され、19件は人間が中心です。 危機対応や感情労働などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

助産師になるには助産師国家試験に合格する必要がある。この試験の受験資格は看護師国家試験に合格していることが前提となるため、看護師国家試験合格に向け、高校卒業後、看護系大学、短大又は専門学校にて3~4年専門教育を修めたのち、試験に臨む。試験合格後、看護系大学にて助産師選択課程を選択した者は助産師国家試験の受験資格を得る。この他の選択をした者は、看護系大学院で2年間又は、看護大学専攻科・別科、看護短期大学専攻科、助産師養成所のいずれかで1年間の専門教育を修めたのち、助産師国家試験の受験資格を得る。いずれの過程においても助産師国家試験に合格後、助産師となることができる。 現在は職業・資格・試験の名称が「助産婦」から「助産師」に変わっているものの、助産師試験の受験資格は女性に限られている。 出産時の母子の生命の安全を確保するために、関連の専門知識・技術に加えて、適切な判断力と敏速な対応能力が求められる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 妊娠期・分娩期・産褥期・新生児のケアを提供する・胎児心拍の聴取や子宮計測により胎児の発育状態を監視するを極める — AIでは代替できない領域
  • 診療録に情報を記載し、他の医療従事者への患者情報共有用サマリーを作成するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・他者の反応の理解の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

助産師の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 5% 人間 95%

助産師の業務の95%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

助産師の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

2
AIが担う業務
19
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

95% 診療録に情報を記載し、他の医療従事者への患者情報共有用サマリーを作成する
72% 文献の閲読、同僚との情報交換、学会参加を通じて看護分野の最新動向を把握する

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

妊娠期・分娩期・産褥期・新生児のケアを提供する
胎児心拍の聴取や子宮計測により胎児の発育状態を監視する
患者の健康歴・症状・身体状態・その他の診断情報を記録する
子宮内避妊具の挿入や経口避妊薬の処方など、直接的な家族計画サービスを提供する
州の規制に基づき許可された範囲で薬剤を処方する
個別の医療管理計画を策定・実施する
患者、家族、スタッフ等に処置手順を説明する
診断検査・臨床検査を指示し結果を解釈する
患者の容態安定のため緊急処置を開始する
身体検査の所見を記録する
妊娠・出産・産後・新生児ケアについて患者と家族に指導する
バイタルサイン測定、神経反射検査、乳房検査、骨盤検査などの身体診察を行う
妊娠・出産を含む女性へのプライマリケアを提供する
専門外の症状について適切な専門医に相談または患者を紹介する
助産学生・医学生・研修医に分娩過程を指導する
女性のプライマリケアや周産期・新生児ケアなど専門分野の診療ガイドラインを策定する
看護職員・多職種医療チーム・地域住民向けの教育プログラムを計画・提供・評価する
母子保健・避妊法・母乳育児・婦人科ケアなどの臨床研究を行う
生後数週間の新生児ケアを管理する 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

95%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 危機対応

緊急時の判断が求められ、AIに任せにくい場面が多い

この仕事では厳密さ、正確さ、ミスの影響度、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「妊娠あるいは分娩中に異常な事態が発生した場合には、所定の緊急措置を行い、産科医に連絡をとる。」

AIにできない 感情労働

感情面での対応力が求められる

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

必要な知識: 心理学、セラピーとカウンセリング

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「妊娠中や出産後の乳房ケアや授乳の指導を行う。」「公的援助や子育て支援サービスの情報を妊産婦に提供する。」「妊産婦の骨盤ケアを行う。」

AIにできない 対面対応

非常に高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「妊婦に検診の結果や注意事項を説明する。」

AIにできない 必須資格・免許

助産師、看護師など、法令で定められた資格・免許が必要

この仕事では結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「外来患者の主訴や身体の状態を踏まえて必要な検査を実施する。」

AIにできない 身体作業

現場での身体作業が含まれ、完全な自動化は困難

この仕事では立ち作業といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 持久力(スタミナ)

具体的な業務: 「外来患者の主訴や身体の状態を踏まえて必要な検査を実施する。」

AIは補助まで 責任判断

非常に高い責任を伴う判断が求められる

この仕事ではミスの影響度、結果・成果への責任、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 倫理判断

高い倫理的な判断力が必要

この仕事では厳密さ、正確さ、結果・成果への責任、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 指導・育成

後輩や部下への指導・育成が大きな役割の一つ

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 指導、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「出産後の産婦の状態を確認し、授乳や母体回復のための指導をする。」「新生児検診や退院時の家庭育児指導により、母子の健康をチェックし、助言する。」「妊娠中や出産後の乳房ケアや授乳の指導を行う。」

AIは補助まで 交渉

交渉力が求められる

この仕事では対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力

AIは補助まで 暗黙知

経験から培われる暗黙知やカンが重要

この仕事の原動力: 達成感、自律性

AIは補助まで 信頼構築

相手との信頼関係が特に重要な仕事

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が特に求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

業界で変わるAIの影響

同じ助産師でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。

医療・福祉
AI化 5%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく助産師の給与水準です。

平均年収 583万円
月給 395.8千円
賞与 1081.9千円
平均年齢 40歳
勤続年数 9年

業界で変わる年収

同じ助産師でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
4.5
R 現実的
3.4
I 研究的
3.3
E 企業的
3.1
C 慣習的
3.1
A 芸術的
2.5

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

助産師に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 5.8
2
他者の反応の理解 5.3
3
指導 5.0
4
説明力 5.0
5
対人援助サービス 4.9

知識

1
医学・歯学 4.6
2
心理学 3.1
3
セラピーとカウンセリング 3.1
4
教育訓練 2.7
5
顧客サービス・対人サービス 2.6

働く環境と雇用形態

働く環境

他者とのかかわり ほぼ毎日 93%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 93%
病気、感染症のリスク ほぼ毎日 85%
グループやチームでの仕事 きわめて重要である 76%
座り作業 就業時間の半分未満 76%
ミスの影響度 きわめて深刻な事態を引き起こす 73%
厳密さ、正確さ きわめて重要である 71%
競争水準 全く 競争的 ではない 63%

雇用形態

正規の職員、従業員
81.4%
パートタイマー
32.2%
自営、フリーランス
15.3%
契約社員、期間従業員
10.2%
派遣社員
3.4%
アルバイト(学生以外)
3.4%
アルバイト(学生)
3.4%
経営層(役員等)
1.7%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 助産師
  • 看護師

近い職種のAI浸透度

助産師とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。

助産師の将来性とAIの影響

「助産師はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 5%

AI代替率は5%と低く、将来性のある職種です。危機対応・感情労働・対面対応・必須資格・免許・身体作業など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。

AIが変える業務

診療録に情報を記載し、他の医療従事者への患者情報共有用サマリーを作成する、文献の閲読、同僚との情報交換、学会参加を通じて看護分野の最新動向を把握するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・他者の反応の理解・指導といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

助産師はAIでなくなりますか?

助産師はAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか5%で、危機対応・感情労働・対面対応・必須資格・免許・身体作業など人間の強みが活きる仕事です。

助産師はAIに代替される?

助産師の業務の大部分は、妊産婦と新生児への直接的なケアと胎児の発育状態監視であり、この核心業務はAIに代替されません。むしろ、診療録作成や学会情報の整理といった周辺業務がAIに支援されることで、患者ケアに集中できる環境が整います。

助産師でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は5%です。すでにAI化されている部分が5%、AI活用で伸ばせる部分が0%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が0%です。

助産師の将来性は?

少子化による出産数減少は長期的な課題ですが、高齢妊娠の増加により周産期の複雑なケアが増加しています。AIが診療情報の管理と分析をサポートすることで、助産師は医療判断に必要な情報へのアクセスが容易になり、専門性の発揮機会が広がります。

AI時代に助産師に必要なスキルは?

妊産婦の心理的ニーズへの対応、複雑な医学知識の理解と判断、そして家族計画相談での傾聴力が重要です。AIが情報整理を担う分、対人スキルと医学的意思決定の深さが、助産師の競争優位性となります。

助産師で生成AIをどう活用できる?

助産師では2件の業務でAIが活用されています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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