営業事務の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

35% AI浸透度(AI代替率)

営業事務は、受注管理・納期確認・請求処理といった定型業務がAI/RPA化される傾向にありながらも、営業に代わって顧客信頼を維持する対応、複雑な受注条件の調整、営業成約率を高めるための事務支援といった創意工夫は人間にしかできません。営業パートナーとしての価値が一層高まります。

営業事務の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 35%
AIが関与するタスク 13件 / 40件
人間中心のタスク 27件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 35%
求められるスキル 傾聴力・説明力・読解力

営業事務とは

営業担当からの指示を受けて資料や見積書を作成したり、クライアント対応や管理業務を行うなど営業活動をサポートする。

この職種のAI浸透度は35%。 40件の業務のうち13件でAIが活用され、27件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。

なるには

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。 入職後は、社内システムに慣れるためにOJT教育を受け、実務を習得するのが一般的である。与えられた職務を単独で過不足なく処理できるようになれば営業事務として一人前と認められる。 ビジネスマナーが重要であり、客先の問い合わせには誠意を持って対応し、迅速かつ適切な判断ができる能力が求められる。先方の要望を正確に聞き取り理解するためのコミュニケーションスキルも必要とされる。 見積書や請求書、納品書、契約書などの事務処理を円滑に行うためのPCスキルや製品・商品の納期や契約履行に関するスケジュール管理・調整能力も求められる。 外資系企業やグローバルに事業展開している企業にあっては、英語など外国語の会話や契約書・文献の読解力が必要となる場合もある。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 必要に応じて購買業務を行う・発注書を作成し、仕入先と依頼元部門に送付するを極める — AIでは代替できない領域
  • 購買依頼・契約・発注の進捗状況を管理するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・説明力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

営業事務の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 35% 人間 65%

営業事務の業務の65%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

営業事務の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

13
AIが担う業務
27
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

100% 購買依頼・契約・発注の進捗状況を管理する
100% 注文状況・変更・キャンセルに関する顧客や仕入先からの問い合わせに対応する
100% カタログやインターネットで仕入先を探し、発注製品の情報を収集する
AI主導
100% 電話応対、通話の取り次ぎ、伝言の記録を行う
人間主導
100% 事務活動・取引記録等の書類を整理・分類・ファイリングする
AI主導
100% 勤務スケジュールの作成、カレンダー管理、予定の調整を行う
AI主導
97% 依頼対応に必要な情報を得るためファイルや記録等の文書を確認する
AI主導
97% ビジネス文書・行政書類・経費報告書等を作成・処理する 補助
AI主導
97% 顧客・従業員等と対応し質問回答・情報提供・受注・苦情処理を行う
AI+人間
96% 購買関連のファイル・報告書・価格表を作成・管理・レビューする
AI主導
89% PC等のオフィス機器に関する問題を診断・解決する 補助
AI+人間
85% 会議の議題を作成し、会議に出席して議事録を記録・作成する 補助
AI主導
72% 事務職員の出張手配を行う 補助

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

必要に応じて購買業務を行う
発注書を作成し、仕入先と依頼元部門に送付する
注文のコストを算出し、請求書を適切な勘定に計上・送付する
価格・仕様・納期を比較し最適な仕入先の入札を選定する
請求書を承認し支払いを行う
購買に関する組織内規定・法規を把握し、職員や取引先に情報を提供する
在庫数量が必要量を満たすか確認し、不足時は追加発注する
入荷時に出荷物を検品し、注文内容と仕様の適合を確認する
納品スケジュールの調整・督促や、欠品・遅延等の問題解決のためサプライヤーに連絡する
購買依頼書の正確性、用語、仕様を確認する
社内の在庫移動を監視し、帳簿用の在庫移動伝票を作成する
仕入先の請求書を見積書・発注書と照合し正確性を検証する
請負業者の業務遂行状況を監視し、必要に応じて契約変更を提案する 補助
入札招請書を作成し、サプライヤーへの送付や公告掲示を行う 補助
部下やスタッフの教育・監督を行う 補助
コピー機、スキャナー、FAX、ボイスメール、パソコン等のOA機器を操作する
ファイリング、在庫、郵送、データベースシステムを維持・更新する
受信郵便の開封・仕分け・配送、返信対応、発送準備を行う
記録や報告書などのデータを算出・記録・校正する
メモや口述から文書の入力・書式設定・校正・編集を行う
資材・消耗品・サービスの在庫管理と発注を行う
伝言を届け、使い走りを行う
現金の収受・計数・支払いと基本的な簿記・銀行取引を行う 補助
請求書・契約書・保険証券・送り状・小切手を作成し郵送する 補助
下位職員の業務を監督・指導する 補助
コンピュータアプリケーションの使用など、業務活動について他のスタッフを指導する 補助
資材の計数・計量・測定・整理を行う 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

65%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「顧客の問い合わせに対応する。」「来客対応を行う。」

AIは補助まで 責任判断

ある程度求められる責任を伴う判断が求められる

この仕事では意思決定の自由、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「委託先を管理する。」「納期を管理する。」「予算の管理など、経理関係の業務を行う。」

業界で変わるAIの影響

同じ営業事務でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 35% 潜在 +42%
金融・保険業
AI化 35% 潜在 +42%
製造業
AI化 35% 潜在 +31%
建設業
AI化 35% 潜在 +31%
卸売業
AI化 35% 潜在 +31%
小売業
AI化 35% 潜在 +31%
不動産業
AI化 35% 潜在 +31%
サービス業(その他)
AI化 35% 潜在 +31%
運輸・物流業
AI化 35% 潜在 +17%
医療・福祉
AI化 35% 潜在 +17%
宿泊・飲食業
AI化 35% 潜在 +17%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく営業事務の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ営業事務でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

電気・ガス・熱供給・水道業 695万円
鉱業,採石業,砂利採取業 687万円
金融業,保険業 614万円
情報通信業 556万円
学術研究,専門・技術サービス業 540万円
不動産業,物品賃貸業 536万円
教育,学習支援業 530万円
製造業 524万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
3.4
C 慣習的
3.2
E 企業的
3.1
R 現実的
2.9
I 研究的
2.8
A 芸術的
2.6

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

営業事務に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 3.9
2
説明力 3.6
3
読解力 3.5
4
文章力 3.5
5
指導 3.3

知識

1
事務処理 2.8
2
顧客サービス・対人サービス 2.4
3
販売・マーケティング 2.0
4
日本語の語彙・文法 1.6
5
コミュニケーションとメディア 1.4

働く環境と雇用形態

働く環境

空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 84%
電子メール ほぼ毎日 80%
他者とのかかわり ほぼ毎日 78%
電話での会話 ほぼ毎日 76%
座り作業 ほぼ常に 67%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 67%
立ち作業 就業時間の半分未満 56%
ミスの影響度 多少は深刻な事態を引き起こす 44%

雇用形態

正規の職員、従業員
77.8%
契約社員、期間従業員
17.8%
派遣社員
13.3%
自営、フリーランス
11.1%
パートタイマー
2.2%
経営層(役員等)
2.2%

近い職種のAI浸透度

営業事務とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。

営業事務の将来性とAIの影響

「営業事務はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 35%

AI代替率は35%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

購買依頼・契約・発注の進捗状況を管理する、注文状況・変更・キャンセルに関する顧客や仕入先からの問い合わせに対応する、カタログやインターネットで仕入先を探し、発注製品の情報を収集するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・説明力・読解力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

営業事務はAIでなくなりますか?

営業事務がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は35%で、27件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

営業事務はAIに代替される?

伝票作成や初期的な顧客問い合わせ対応はAIが効率よく処理できます。一方で、営業の課題を汲み取った事務提案や、納期遅延時のクライアント対応といった「営業を支える判断」は人間にしかできません。

営業事務でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は78%です。すでにAI化されている部分が35%、AI活用で伸ばせる部分が27%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が16%です。

営業事務の将来性は?

営業組織が顧客中心志向を強める中で、営業事務が後方支援でなく前線の意思決定に参加する「営業チーム一体化」の流れが加速します。事務能力と営業知識を兼ね備えた人材の価値が上昇し続けるでしょう。

AI時代に営業事務に必要なスキルは?

CRM や BIツールを使いこなし、顧客データから営業機会を引き出す分析力、営業プロセスの改善提案ができるビジネスセンス、顧客のニーズを深掘りするヒアリング能力が重要になります。

営業事務で生成AIをどう活用できる?

営業事務では13件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は購買依頼・契約・発注の進捗状況を管理する、注文状況・変更・キャンセルに関する顧客や仕入先からの問い合わせに対応する、カタログやインターネットで仕入先を探し、発注製品の情報を収集するなどです。

この職種に影響するAI動向

実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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