言語聴覚士の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

0% AI浸透度(AI代替率)

言語聴覚士は、聴力検査やビデオフルオログラフィでの嚥下機能評価を通じて、吃音や発話障害、嚥下障害の診断と治療計画を立てます。治療記録や医学的判断が必要な領域のため、AIはサポートツールの役割に留まり、患者の反応に応じた治療の微調整は人間にしかできません。

言語聴覚士の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 0%
人間中心のタスク 46件
AIに代替困難な要素 感情労働・対面対応・必須資格・免許
求められるスキル 傾聴力・読解力・他者の反応の理解

言語聴覚士とは

ことばによるコミュニケーションや嚥下(えんげ)に困難を抱える人を対象に、問題の程度、発生のメカニズムを評価しその結果に基づいて訓練、指導等を行う。

この職種のAI浸透度は0%。 46件の業務のうち0件でAIが活用され、46件は人間が中心です。 感情労働や対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

言語聴覚士になるためには国家試験に合格しなければならない。高校卒業者の場合、文部科学大臣が指定した大学(3~4年制の大学・短大)、又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成校(3~4年制の専修学校)に入学し、必要な知識及び技能を修得、卒業することが条件となる。一般4年制大学卒業者の場合、指定された大学・大学院の専攻科若しくは2年制の専修学校において必要な知識及び技能を習得して卒業する必要がある。この他、言語聴覚士の養成にかかわる一定基準の科目を習得している場合は、指定校で1年間知識と技能を習得することで国家試験を受けることができる。また、外国の大学などで言語聴覚に関する学業を修めた場合は、厚生労働大臣に書類を提出し、認定を受ければ受験資格を得ることができる。 言語聴覚士の養成教育では、人間の言語・コミュニケーション行動を支える学科などの基礎科目及び専門科目を学び、更に、病院、リハビリテーションセンター、小児の療育施設などで臨床実習を行い、言語聴覚障害がある人を支援するために必要な知識・技術・倫理を習得する。言語聴覚士には、知識や技術にとどまらず、言葉で意思を表現したくてもできにくい人々の思いを受け止め、上手に引き出す力が求められる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 聴覚・言語検査やバリウム嚥下検査の結果を評価し、言語・発話・嚥下障害の診断と治療計画を立てる・初回評価・治療・経過・退院を含むケース記録や請求関連書類を作成・管理するを極める — AIでは代替できない領域
  • 傾聴力・読解力の重要性が今後さらに高まる

業務ごとのAI浸透度

言語聴覚士の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

0
AIが担う業務
46
人間が担う業務

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

聴覚・言語検査やバリウム嚥下検査の結果を評価し、言語・発話・嚥下障害の診断と治療計画を立てる
初回評価・治療・経過・退院を含むケース記録や請求関連書類を作成・管理する
患者の経過を観察し、治療内容を適宜調整する
吃音・言語発達遅延・嚥下障害・音声障害等に対する治療計画を策定・実施する
筆記・口頭検査や専門器具を用いて聴覚・言語評価を実施し、障害の種類と程度を把握する
コミュニケーション技術や誤解回避の方法を患者と家族に指導する
治療チームの監督または協働を行う
個別教育計画(IEP)会議や院内研修会議など、患者の経過に関する会議に参加し報告書を作成する
舌・顎・顔面の筋肉や呼吸機能の制御・強化を指導する
手話・読唇術・発声改善などより効果的なコミュニケーション技法を指導する
教育者や医療スタッフにコミュニケーション戦略等の言語聴覚分野の助言を行う
障害軽減のための発話訓練プログラムを策定する
書類の調整やケース管理の日程調整、指導計画の作成などの事務業務を遂行する
クライアントと相談し必要に応じて医療・教育サービスへ紹介する
代替的な診断・コミュニケーション機器や手法を設計・開発・活用する
学会・研修・継続教育への参加や研究成果の発表を通じ、聴覚・言語障害の新治療法や技術の知見を共有する
コンピュータアプリケーションを用いてコミュニケーション障害の特定・支援を行う
行動・言語・嚥下障害に対応する学校での個別・集団プログラムを開発する 補助
言語障害に対応する教師を支援するため指導や教育的・治療的ゲームを実施する 補助
方言話者や英語力が限られた学生にコミュニケーション指導を行う 補助
学生やアシスタントを監督する 補助
手話やコンピュータ技術を用いて発話困難な生徒とコミュニケーションを行う 補助
乳児の口腔運動機能を評価する 補助
音声・聴覚に関する研究を実施・指揮し、手法・技術・治療法の開発に活用する 補助
初回評価から治療まで全段階の患者記録を管理する
聴覚・平衡障害を評価し、診断と治療方針を決定する
補聴器等の補助器具のフィッティング・提供・修理を行う
専門機器や電子装置を用いて聴力検査を実施し、障害の種類と程度の情報を収集する
患者の経過を観察し、聴覚・平衡機能の継続的な評価を行う
効果的な受容コミュニケーションのための方策を患者・保護者・教師・雇用主に指導する
患者とその家族に聴覚改善・難聴に関するコミュニケーション技法を指導する
必要に応じて患者を追加の医療サービスや教育サービスに紹介する
聴覚・平衡障害の新しい治療法や技術に関する知識を更新・共有するため学会や研修に参加する
患者の耳道を検査し清掃する
患者のニーズや障害の特性に応じた補助器具を推奨する
聴覚や平衡機能に関して教育者や医療スタッフに助言する
患者のニーズに合わせて人工内耳の調整とモニタリングを行う
聴覚学の学生や医療従事者を教育・指導する
聴覚・平衡機能障害の治療プログラムを多職種と連携して企画・実施する
多職種チームと連携し、人工聴覚器装用者の聴覚訓練とカウンセリングによるリハビリを行う
聴覚・平衡機能に関する研究を実施・指揮し、手法・技術・治療法の開発に役立てる
オフィス運営や財務管理などの管理業務を行う
聴覚や平衡感覚に関する情報を一般向けに提供する
マーケティング計画の策定等の販促活動を通じて事業を推進する
職場の騒音レベルを測定し、産業・学校・地域等で聴力保全プログラムを実施する
聴覚スクリーニングプログラムを開発・監督する
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

100%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 感情労働

人の感情に向き合う場面がある

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

必要な知識: セラピーとカウンセリング、心理学、教育訓練

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「家族からの相談を受け、障害者が日常生活に適応できるように助言をする。」「高次脳機能障害をもつ患者に訓練や就労支援をする。」「小児の言語発達を支援する。」

AIにできない 対面対応

非常に高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「家族からの相談を受け、障害者が日常生活に適応できるように助言をする。」「学校や職場への説明を通して、ハンディキャップを減らすように物的・人的な環境整備を働きかける。」

AIにできない 必須資格・免許

言語聴覚士など、法令で定められた資格・免許が必要

この仕事では結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「言語障害や失語などの患者の状態を問診や様々な検査によって調べ、程度や問題点を明らかにする。」「検査結果をもとに医師などと検討を行い、治療の方針や訓練の方法を決定する。」「摂食・嚥下障害をもつ患者に対して問診や検査により障害の状態を調べ、程度を明らかにする。」

AIは補助まで 責任判断

高い責任を伴う判断が求められる

この仕事ではミスの影響度、意思決定の自由、結果・成果への責任、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「検査結果をもとに医師などと検討を行い、治療の方針や訓練の方法を決定する。」「プログラムの実施状況や障害の改善状況を記録し、管理する。」

AIは補助まで 倫理判断

高い倫理的な判断力が必要

この仕事では厳密さ、正確さ、結果・成果への責任、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 指導・育成

後輩や部下への指導・育成が役割の一つ

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力、指導

必要な知識: 教育訓練

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「補聴器などの補助器具の使用を指導する。」「摂食・嚥下障害の程度に応じて訓練を行い、食事内容に応じて適切な食事方法を指導する。」「他のスタッフや学生に指導する。」

AIは補助まで 交渉

交渉力が求められる

この仕事では対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力

AIは補助まで 暗黙知

実務経験を通じて身につく知識が活きる

この仕事の原動力: 自律性、達成感

AIは補助まで 信頼構築

相手との信頼関係が重要な仕事

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が特に求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「検査結果をもとに医師などと検討を行い、治療の方針や訓練の方法を決定する。」

変化の兆し 創造性

創造性やオリジナリティが求められる

求められる力: 独創性

この仕事の原動力: 自律性、達成感

業界で変わるAIの影響

同じ言語聴覚士でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。

医療・福祉
AI化 0% 潜在 +11%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく言語聴覚士の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ言語聴覚士でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
4.4
I 研究的
3.7
E 企業的
3.3
R 現実的
3.1
C 慣習的
2.9
A 芸術的
2.7

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

言語聴覚士に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 5.8
2
読解力 5.3
3
他者の反応の理解 5.3
4
説明力 5.1
5
文章力 5.0

知識

1
医学・歯学 4.2
2
セラピーとカウンセリング 3.9
3
心理学 3.2
4
教育訓練 3.0
5
日本語の語彙・文法 3.0

働く環境と雇用形態

働く環境

他者とのかかわり ほぼ毎日 95%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 89%
病気、感染症のリスク ほぼ毎日 79%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 75%
競争水準 全く 競争的 ではない 55%
意思決定の自由 ある程度は自由がある 54%
グループやチームでの仕事 きわめて重要である 48%
機械やコンピュータによる仕事の自動化 少し自動化されている 46%

雇用形態

正規の職員、従業員
92.9%
パートタイマー
25.0%
契約社員、期間従業員
8.9%
自営、フリーランス
5.4%
アルバイト(学生以外)
3.6%
派遣社員
1.8%
経営層(役員等)
1.8%
アルバイト(学生)
1.8%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 言語聴覚士

近い職種のAI浸透度

言語聴覚士とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。

言語聴覚士の将来性とAIの影響

「言語聴覚士はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 0%

AI代替率は0%と低く、将来性のある職種です。感情労働・対面対応・必須資格・免許など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。

AIが変える業務

現時点でAIに代替される業務はありません。人間の判断や対面対応が中心の職種です。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・読解力・他者の反応の理解といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

言語聴覚士はAIでなくなりますか?

言語聴覚士はAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか0%で、感情労働・対面対応・必須資格・免許など人間の強みが活きる仕事です。

言語聴覚士はAIに代替される?

いいえ。検査機器のデータ読取りはAI化の余地がありますが、バリウム嚥下検査の評価や患者とのコミュニケーションを通じた治療計画立案には、臨床判断と高度な対面技術が欠かせません。

言語聴覚士でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は11%です。すでにAI化されている部分が0%、AI活用で伸ばせる部分が8%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が3%です。

言語聴覚士の将来性は?

医療需要は増加傾向で、特に高齢化に伴う嚥下障害や脳卒中後のリハビリが増えています。AIが検査補助や記録業務を自動化することで、より診断と治療計画に時間を割くことができるようになります。

AI時代に言語聴覚士に必要なスキルは?

医学知識と診断スキルはいっそう重要になります。同時に、デジタル検査機器を扱う能力やAI補助ツールを使いこなす力が、患者ケアの質を左右するようになるでしょう。

言語聴覚士で生成AIをどう活用できる?

現時点では言語聴覚士の業務へのAI浸透は限定的ですが、今後の技術進歩により活用の幅が広がる可能性があります。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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