船員の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

0% AI浸透度(AI代替率)

船員の仕事は、物理的な海上環境での判断と手作業の連続です。はしけの連結・切り離し、液体貨物の移送、ロープ操作による係留作業など、天候や潮流の変化に対応しながら実行する技能は、自動化が困難です。航海ログの記録も人間の観察眼が不可欠です。

船員の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 0%
人間中心のタスク 45件
AIに代替困難な要素 対面対応・必須資格・免許
求められるスキル 保守点検・修理・故障等の原因特定

船員とは

国内航路におけるカーフェリー、貨物船、観光船、外国航路におけるタンカー、コンテナ船、クルーズ客船などで旅客や貨物の輸送業務に携わる。

この職種のAI浸透度は0%。 45件の業務のうち0件でAIが活用され、45件は人間が中心です。 対面対応や必須資格・免許などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

甲板員や機関員になるには、水産高校等を卒業して海技士免許を取得してから、船舶を所有している会社などに入職するのが一般的である。働きながら乗船履歴の要件を満たし、航海士や機関士などの国家資格取得を目指すこともある。 厳しい自然環境と不規則な労働に耐えられる体力と忍耐力が求められる。また、船は船長を中心とする運命共同体であるため、秩序を重んじ、船内の規律を守ることが厳しく要求される。航海士・機関士になった場合には、船長を助け、自らを律し、甲板員、機関員を直接指揮してチームワークを作り上げるリーダーシップが求められる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • はしけを曳航単位に連結し、航行中の定期点検と到着時の切り離しを行う・ホースを接続しポンプを操作して液体貨物タンクへの物質の移送を行うを極める — AIでは代替できない領域
  • 保守点検・修理の重要性が今後さらに高まる

業務ごとのAI浸透度

船員の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

0
AIが担う業務
45
人間が担う業務

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

はしけを曳航単位に連結し、航行中の定期点検と到着時の切り離しを行う
ホースを接続しポンプを操作して液体貨物タンクへの物質の移送を行う
船舶を埠頭に係留したり、他の船舶に繋留したり、曳航索を取り付けるためにロープを操作する
圧力計・温度計の表示を読み取り、データをエンジニアリングログに記録する
船首やブリッジウイングで見張りに立ち、障害物やブイ・灯台を確認する
必要な政府発行の資格・認証を維持する
機械を点検し、規定の圧力や潤滑油の流量を確認する
機関士の指示のもと船舶エンジンの保守を行う
荷役装置や索具類の取り出し・装着・格納を行う
歯車・シャフト・ベアリング等の機械・設備・エンジン部品に注油する
緊急時に救命ボートを降下させ乗組員を配置する
ほうき・モップ・ブラシ・ホースを使用してデッキの油汚れやゴミを清掃する
スパイキやワイヤカッターなどの手工具でロープやワイヤケーブルを接合・修理する
船舶から資材・車両・乗客を積み下ろしする
ワイヤーブラシやチッピングマシンで船体の錆を除去・清掃する
機械の修理・調整においてエンジニアを補助する
ウインチやクレーン等の船舶設備を操作・保守・修理する
甲板・上部構造物・救命ボート・船側の塗装やニス塗りを行う
操舵室や後甲板の清掃を行う乗組員に指示を出す
自動操舵中に操舵輪のそばで待機し、磁気コンパスで針路精度を確認する 補助
指揮官や航海士の指示に従い船舶を操舵する、または操舵手に指示を出す 補助
発光信号灯や手旗信号などで他船に所定の信号を送る 補助
救命ボートや関連装備を整備し、ウインチで昇降操作を行う 補助
入港中にタラップで見張りに立ち、不審者の乗船を防止する 補助
天候や航行距離等のデータを航海日誌に記録する 補助
測鉛を使い浅瀬や未知の水域の水深を測定し、船橋に水深情報を伝達する 補助
木製装飾・真鍮・その他金属部品の清掃・研磨を行う 補助
沿岸パトロールに参加する 補助
コンパスまたは電子航法装置を使用して所定の航路を維持する
安全手順に従い、乗客・貨物・船舶の安全を確保する
緊急時の安全対応を指揮する
スロットルと操舵装置を操作して船舶を所定の航路に誘導する
旅客・車両・貨物を運ぶ船舶の運航を監督する
係留ロープで船舶を桟橋に固定し、出港時にロープを解く
オイル交換や部品の潤滑などモーターの整備を行う
船舶の修理・燃料・物資の手配を行う
航路標識・消火器・防舷材・係留索・ポンプ等の機器を整備する
乗組員の活動を組織し指揮する
発見した航行上の危険を関係当局に報告する
船舶への積み込み・荷下ろし・着席に関する指示を出す
手工具・塗料・ブラシを用いて船舶の清掃と船体・上部構造の補修を行う
他の船舶・はしけ・丸太・いかだを曳航・押送・誘導する
回頭水域の水深測量を行う 補助
ブームの修理などの一般作業を行う 補助
停泊中の船舶の周囲にブームを配置する 補助
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

100%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

ある程度求められる対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

AIにできない 必須資格・免許

海技士免許(航海・機関・通信)など、法令で定められた資格・免許が必要

この仕事では結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 責任判断

ある程度求められる責任を伴う判断が求められる

この仕事ではミスの影響度、結果・成果への責任、意思決定の自由といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 倫理判断

倫理的な判断力が必要

この仕事では厳密さ、正確さ、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 暗黙知

実務経験を通じて身につく知識が活きる

業界で変わるAIの影響

同じ船員でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。

運輸・物流業
AI化 0% 潜在 +18%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく船員の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ船員でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

電気・ガス・熱供給・水道業 649万円
情報通信業 621万円
不動産業,物品賃貸業 534万円
学術研究,専門・技術サービス業 495万円
建設業 486万円
運輸業,郵便業 470万円
鉱業,採石業,砂利採取業 448万円
製造業 445万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

R 現実的
3.7
C 慣習的
3.1
S 社会的
3.0
I 研究的
2.7
E 企業的
2.6
A 芸術的
2.4

手を動かし、具体的なモノを作ることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

船員に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
保守点検 3.7
2
修理 3.6
3
故障等の原因特定 3.5
4
傾聴力 3.4
5
指導 3.3

知識

1
機械 2.0
2
輸送 2.0
3
地理学 1.9
4
公衆安全・危機管理 1.5
5
通信技術 1.4

働く環境と雇用形態

働く環境

不規則(天候、生産需要、契約期間などで変わる) 不規則(天候、生産需要、契約期間などで変わる) 69%
屋外作業 ほぼ毎日 51%
他者とのかかわり ほぼ毎日 47%
グループやチームでの仕事 きわめて重要である 41%
電子メール ほぼ毎日 40%
競争水準 全く 競争的 ではない 40%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 37%
座り作業 就業時間の半分未満 37%

雇用形態

正規の職員、従業員
84.0%
契約社員、期間従業員
8.0%
パートタイマー
4.0%
自営、フリーランス
4.0%
アルバイト(学生以外)
4.0%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 海技士免許(航海・機関・通信)

近い職種のAI浸透度

船員とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。

AIがより浸透している職種

船員の将来性とAIの影響

「船員はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 0%

AI代替率は0%と低く、将来性のある職種です。対面対応・必須資格・免許など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。

AIが変える業務

現時点でAIに代替される業務はありません。人間の判断や対面対応が中心の職種です。

AI時代に求められるスキル

保守点検・修理・故障等の原因特定といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

船員はAIでなくなりますか?

船員はAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか0%で、対面対応・必須資格・免許など人間の強みが活きる仕事です。

船員はAIに代替される?

船員の仕事は、物理的な海上環境での判断と手作業に依存しています。はしけの連結・切り離しや液体貨物の移送は、天候や海況の急な変化に対応する必要があり、AIが代替することは現実的ではありません。

船員でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は18%です。すでにAI化されている部分が0%、AI活用で伸ばせる部分が13%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が5%です。

船員の将来性は?

海上輸送のニーズは引き続き重要であり、船員の価値は変わりません。むしろ安全基準の強化に伴い、より高度な判断力と経験が求められるようになっています。

AI時代に船員に必要なスキルは?

船員に必要なスキルは、海上環境での正確な判断、機械操作、安全管理です。デジタルツールの導入に伴い、GPS・レーダー・自動操舵システムとの協調運用スキルも重要になってきています。

船員で生成AIをどう活用できる?

現時点では船員の業務へのAI浸透は限定的ですが、今後の技術進歩により活用の幅が広がる可能性があります。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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