データエンジニアの将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
データエンジニアは、企業の血液たるデータを流通させるインフラ職人です。テーブル設計、パフォーマンスチューニング、スキーマ文書化—これらの作業の大半はAIがコード生成で加速させます。ただし、ビジネス要件から最適なデータモデルを逆算し、スケーラビリティ限界を先読みして設計する能力は、人間の経験とセンスに依存しています。
データエンジニアとは
膨大なデータを分析するためにデータの整理や管理を行ったり、複雑で大規模なデータが活用できるよう情報基盤の構築や運用を行う。
この職種のAI浸透度は50%。 37件の業務のうち16件でAIが活用され、21件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。
なるには
新卒採用では理工系の大学、大学院の者が多いが、文系でも、心理学や経済学等データを扱っていたという卒業生も多い。高専や専門学校の情報系の卒業生もいる。システムエンジニアとして一括して新卒採用し、その中からデータエンジニアとして育てていく会社もある。 中途採用の場合、システムエンジニア等IT関係のエンジニアから転職という人が多い。また、金融、医療、製造、教育等、何らかの分野に詳しい業務知識を持っていると中途採用では有利となる。 資格関連では民間が運営する海外のものがあり(Google認定プロフェッショナルデータエンジニア等)、この認定を持っているとデータエンジニアのスキルがあると国の内外で評価される。 データエンジニアそのものの資格ではないが、情報処理振興機構(IPA)のデータベーススペシャリスト試験、システムアーキテクト試験などは関連する知識を持っている証明となる。 新卒採用の場合、入社後、社内で必要に応じて、基礎スキルの研修(プログラミング、数学、データ分析、データベース、分散処理、機械学習、AI等)、業務知識の習得(データの背景を把握するための顧客の業務の理解等)、プロジェクトのマネジメント(チーム管理やアジャイル開発)等の研修を行う会社が多い。開発のスピードアップが求められる今日、以前のウォーターフォール型でない、アジャイル開発のスキルが求められている。 このような研修を受け、その後は社内でプロジェクトに参加し、仕事をしながら、また、関連するKaggle等のコミュニティに参加し、力をつけていく。KaggleとはそのトップページにYour Machine Learning and Data Science Communityとあるように、世界中の機械学習とデータサイエンスに携わる数十万人が集まるコミュニティである。 この後のキャリアとしてはプロジェクトのマネジメントをし、さらにグループのマネジメントをするようになるというように管理職的なキャリアを歩む人と、専門性を高めエキスパートになっていく人がいる。専門性を高め、データサイエンティストやAIエンジニアになる人もいる。 データエンジニアに必要なスキルとしては、微分積分、線形代数、確率統計などの数学のスキル、Python 、Scala(スカラ)、Java、Rなどのプログラミングのスキル、ビッグデータ分析のための環境をアマゾン、グーグルなどのクラウド上で設計、構築し、運用するスキルが求められる。また、Hadoopなどによる大規模なデータを分散処理する知識などが求められる。そしてAI開発が盛んな今日、機械学習の知識が求められることも多い。また、データを扱う上では対象分野の業務知識が非常に重要である。業務知識が無ければ、どのようなデータでどのように処理すれば良いかが分からない。技術動向や社会、経済の動きを把握していることも必要である。 収集・解析に必要なプログラム作成に生成AIを活用することも多くなっており、生成AIで仮のものを作り、修正、加筆したり、作動確認し、利用する。 膨大で複雑なデータを丹念に処理していく必要があることから、根気があり、粘り強いことが求められる。データの分析では自分の思い込みがないか、自分の考えを客観的にとらえられることも必要である。技術や分析に対する好奇心、新しい手法を積極的に取り入れるチャレンジ精神も求められる。
AI時代に伸ばすべきポイント
- コンピュータ内の情報を不正アクセスや損傷から保護するセキュリティ対策を計画・実施する・データベースの論理・物理記述を作成・コーディングし、管理システムへの識別子指定や他者への指示を行うを極める — AIでは代替できない領域
- プログラムやデータベースをテストし、エラー修正と必要な変更を行うのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 読解力・傾聴力の重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
データエンジニアの業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
業務の50%でAIが活用されていますが、残り50%は人間ならではの対応が求められています。
業務ごとのAI浸透度
データエンジニアの業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
50%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力、説明力
具体的な業務: 「社内Webアプリを開発し、従業員に説明する。」
ある程度求められる責任を伴う判断が求められる
この仕事では結果・成果への責任、意思決定の自由、ミスの影響度、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 合理的な意思決定
具体的な業務: 「プロジェクトの進捗を管理する。」
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
正解のない状況での判断力が求められる
この仕事では意思決定の自由、優先順位や目標の自己設定、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
具体的な業務: 「データの加工、整理の方法について検討する。」「どのような情報基盤にするか検討する。」「どのクラウドサービスを使うか検討する。」
高い学歴が求められる傾向がある
業界で変わるAIの影響
同じデータエンジニアでも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくデータエンジニアの給与水準です。
業界で変わる年収
同じデータエンジニアでも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
求められるスキルと知識
データエンジニアに求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
近い職種のAI浸透度
データエンジニアとキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
データエンジニアの将来性とAIの影響
「データエンジニアはAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 50%
業務の半数以上がAI化の可能性がありますが、コンピュータ内の情報を不正アクセスや損傷から保護するセキュリティ対策を計画・実施するやデータベースの論理・物理記述を作成・コーディングし、管理システムへの識別子指定や他者への指示を行うなど人間が担い続ける業務も残ります。AIを使いこなす側に回れるかが将来性の分かれ目です。
AIが変える業務
プログラムやデータベースをテストし、エラー修正と必要な変更を行う、データベース性能向上のためDBMSソフトウェアのアップグレードを計画・実施する、既存のデータベースやDBMSを修正するか、プログラマー・アナリストに変更を指示するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
読解力・傾聴力・説明力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
データエンジニアはAIでなくなりますか?
データエンジニアのAI代替率は50%と高めですが、すべての業務がなくなるわけではありません。対面対応など人間にしかできない要素があり、AIを活用しながら働く形へ変化していく可能性が高いです。
データエンジニアはAIに代替される?
データエンジニアはAIに代替されるか。いいえ。しかしコード作成・単純なバグ修正・パフォーマンス改善は、AIが人間より高速・確実に対応します。求められるのは「何を作るべきか」を決める設計力です。
データエンジニアでAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は84%です。すでにAI化されている部分が50%、AI活用で伸ばせる部分が22%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が12%です。
データエンジニアの将来性は?
データエンジニアの将来性は。データドリブン経営へのシフトで、むしろ上昇します。AIが実装作業を担う分、ビジネス側と一緒に「データ戦略」を構想できるエンジニアが稀少になります。
AI時代にデータエンジニアに必要なスキルは?
AI時代のデータエンジニアに必要なスキルは。ビジネス理解力、システムアーキテクチャ思考、そしてAIツール(コード生成、自動テスト等)を使いこなす技術基盤です。実装ではなく「何を実装するか」の判断が価値になります。
データエンジニアで生成AIをどう活用できる?
データエンジニアでは16件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はプログラムやデータベースをテストし、エラー修正と必要な変更を行う、データベース性能向上のためDBMSソフトウェアのアップグレードを計画・実施する、既存のデータベースやDBMSを修正するか、プログラマー・アナリストに変更を指示するなどです。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細