図書館司書の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

20% AI浸透度(AI代替率)

利用者の曖昧なリクエストから必要情報を引き出し、電子・印刷資料を組み合わせ提案する参考サービスは、読み手の背景と問いの奥行きを読む力で成立します。AIは検索最適化や資料提示はできますが、「あの本」を思い出させたり、「次の一冊」を見つけるセレンディピティは人間司書の力です。

図書館司書の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 20%
AIが関与するタスク 5件 / 30件
人間中心のタスク 25件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 20%
求められるスキル 傾聴力・読解力・説明力

図書館司書とは

「司書」とは、図書館法が定める公立図書館の専門職員を指すが、そのほかの図書館や資料室で専門的な仕事に就いている人たちにも一般にこの名称が用いられている。

この職種のAI浸透度は20%。 30件の業務のうち5件でAIが活用され、25件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

図書館法による「司書(補)」の資格を得るには、大学で司書資格取得に必要な科目を履修するか司書講習を受ける必要がある。通信制で学べる大学もある。 公立図書館や公立大学の司書になるには、地方公務員試験に合格する必要がある。この際、最初から司書(補)の資格を前提にして専門試験を行い図書館に採用する場合と、地方公務員行政職の試験を受けて採用され、図書館に配属される場合がある。また、公立図書館の場合、地方公共団体から図書館業務を受託している企業に就職して図書館の司書として勤務するケースもある。 学校図書館で学校司書として働くには、各地方公共団体の定める、司書資格や司書教諭資格、教諭免許状、相当実務経験等の資格要件を満たしたうえで学校司書の募集に応募して採用される必要がある。なお、学校図書館の司書教諭には主幹教諭、指導教諭又は教諭が充てられる。 国立大学図書館の場合は、大学法人が行う採用試験、私立大学では職員の採用試験を受ける。司書の仕事を行う上でまず必要なのは図書館情報学の知識であり、コンピュータや外国語に強ければ一層有利である。広範で多量の資料に目を通し、正確に分類・記録するには、知的好奇心や記憶力、反復して分類作業を行う持久力も必要である。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 図書館での図書の貸出・返却処理を行う・図書館利用者にデータベース検索などの基本的なPC操作を指導するを極める — AIでは代替できない領域
  • 利用者の要望を分析し、必要な情報の提供・検索を支援するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・読解力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

図書館司書の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 20% 人間 80%

図書館司書の業務の80%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

図書館司書の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

5
AIが担う業務
25
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

100% 利用者の要望を分析し、必要な情報の提供・検索を支援する
AI+人間
97% 特定の依頼に応じて希少な情報や特殊な情報を調査する
97% 顧客からの苦情に対応し、必要な措置を講じる
AI+人間
92% オンライン情報源を含む標準的な参考資料を検索し、利用者の質問に回答する
AI+人間
82% データベースやウェブページ等の情報アクセスツールを開発・保守・障害対応する
AI+人間

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

図書館での図書の貸出・返却処理を行う
図書館利用者にデータベース検索などの基本的なPC操作を指導する
書評・カタログ・教員推薦・蔵書状況を基に印刷物・視聴覚・電子資料を選定・発注する
貸出・資料記録の更新、在庫管理、目録エラーの修正を行う
図書館の日常運営・予算・計画・採用・研修・勤務管理・人事評価を監督する
情報リテラシーや図書館利用法、技術活用に関する授業を企画・実施する
同僚・教員・地域住民・団体と協議し、情報提供プログラムの実施・蔵書方針・図書館サービスを決定する
主題や標準図書館分類に基づき、図書・出版物・映像資料等を分類・目録化する
法人向けサービスや子ども向け読み聞かせなど利用者中心のプログラムを企画・提供する
図書館の施設・資料・設備・サービスの利用方法と方針を説明する
映像・音響機器の問題を診断・解決する
図書館の運営方針および業務手順を策定する
資材を評価し、不要品や期限切れ品を選別・廃棄する
受入・配架・調査・目録作成・機器操作などの業務について図書館職員を指導・育成する
継続教育や学会・研修会への参加等の専門能力開発活動を行う
特定テーマの書籍・雑誌・記事・視聴覚資料のリストを作成する
教員と協議し、教材の選定や学年に適した教育ツールを決定する
仕入先の製品・実績を評価し、契約交渉と発注を行う
所蔵のない資料について図書館間相互貸借を手配する
内部・外部の委員会において図書館や機関を代表する
会議・イベント・研修等に向けて、カメラ、プロジェクター、録音機器等の視聴覚機器を設定・操作する
展示用資材を組み立てて配置する
視聴覚機器の在庫を管理する 補助
PC・メディア機器・スキャナー・カラー複合機等のハードウェア・ソフトウェアを保守する
教職員やメディアスタッフにソフトウェアや視聴覚機器の使用を指導する
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

80%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「利用者に図書館の利用方法や資料の配列を説明する。」「障害者や高齢者に対応する。」

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

変化の兆し 関連資格・学歴

高い学歴が求められる傾向がある

業界で変わるAIの影響

同じ図書館司書でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。

サービス業(その他)
AI化 20% 潜在 +35%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく図書館司書の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ図書館司書でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
4.0
I 研究的
3.8
C 慣習的
3.7
E 企業的
3.5
A 芸術的
3.4
R 現実的
3.2

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

図書館司書に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 4.7
2
読解力 4.4
3
説明力 4.2
4
文章力 4.1
5
他者の反応の理解 3.6

知識

1
顧客サービス・対人サービス 2.8
2
事務処理 2.6
3
日本語の語彙・文法 1.8
4
コミュニケーションとメディア 1.5
5
公衆安全・危機管理 1.2

働く環境と雇用形態

働く環境

他者とのかかわり ほぼ毎日 90%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 85%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 80%
競争水準 全く 競争的 ではない 77%
ミスの影響度 多少は深刻な事態を引き起こす 63%
立ち作業 就業時間の半分未満 43%
電話での会話 ほぼ毎日 42%
座り作業 就業時間の半分以上 40%

雇用形態

パートタイマー
55.0%
契約社員、期間従業員
40.0%
正規の職員、従業員
33.3%
派遣社員
15.0%
アルバイト(学生以外)
11.7%
自営、フリーランス
1.7%
アルバイト(学生)
1.7%
その他
1.7%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 司書
  • 司書教諭

図書館司書の将来性とAIの影響

「図書館司書はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 20%

AI代替率は20%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

利用者の要望を分析し、必要な情報の提供・検索を支援する、特定の依頼に応じて希少な情報や特殊な情報を調査する、顧客からの苦情に対応し、必要な措置を講じるなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・読解力・説明力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

図書館司書はAIでなくなりますか?

図書館司書がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は20%で、25件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

図書館司書はAIに代替される?

データベース検索や簡易的なレコメンド機能はAIで自動化が進みます。ただし、利用者の「本当の問い」を対話の中で引き出す力、複数の資料を組み合わせた深い提案、図書館コレクション戦略の構築は人間司書にしかできません。利用者の学習支援やPC操作指導も同じです。

図書館司書でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は56%です。すでにAI化されている部分が20%、AI活用で伸ばせる部分が24%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が11%です。

図書館司書の将来性は?

デジタル化により図書館は「本貸出」から「情報提供と地域学習拠点」へシフト中です。データベース検索はAI任せにできる一方、利用者の課題解決を支援する参考サービス、オンライン・オフライン融合の資料活用提案への需要が高まっています。

AI時代に図書館司書に必要なスキルは?

情報リテラシー教育、AI検索ツールと図書館リソースの使い分け指導、利用者の課題を引き出す対話スキルが基本です。加えて、地域の学習ニーズ把握、デジタルアーカイブ構築、オンライン参考サービス提供など、「知識コミュニティ」として図書館を運営する力が重要です。

図書館司書で生成AIをどう活用できる?

図書館司書では5件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は利用者の要望を分析し、必要な情報の提供・検索を支援する、特定の依頼に応じて希少な情報や特殊な情報を調査する、顧客からの苦情に対応し、必要な措置を講じるなどです。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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