広報・PR担当の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

45% AI浸透度(AI代替率)

メディア対応・市場調査・広報戦略の立案ではAI活用が広がる一方で、経営陣への戦略提言や地域・消費者との信頼構築は人間にしかできない領域です。PR担当者は「AI分析データの解釈」と「ステークホルダーとの対話」を両立させることで、より高度な経営支援役としての価値を発揮できるようになります。

広報・PR担当の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 45%
AIが関与するタスク 7件 / 18件
人間中心のタスク 11件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 45%
求められるスキル 文章力・説明力・傾聴力

広報・PR担当とは

企業や団体の広報活動の窓口として、経営理念や営業方針、営業活動、社会的責任(CSR)を顧客、消費者、地域住民等に的確に伝える。

この職種のAI浸透度は45%。 18件の業務のうち7件でAIが活用され、11件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。

なるには

この仕事に就くために、特に学歴や資格は必要とされない。大学でマスコミ系を専攻した人が有利となる場合もあるが、実務経験が重視される傾向が強く、専攻した学部や学科に関係なく、幅広い人材が活躍している。 自社の経営方針、経営戦略、ビジョンなどの企業コンセプトをよく理解し、業界全体の現状や市場動向なども把握する。豊富な情報と知識を持ちつつ、分析力と伝達能力を駆使し、その時々にあったより良い表現方法を採る柔軟さが必要となる。そのため、採用と同時に広報担当部門に配属されるケースは多くなく、他部門から広報担当部門に異動してくるのが一般的である。 企業のイメージアップを図るには、客観的で正確な情報を発信すると同時に、問題が生じた場合にどのように情報を外部に公表するかといった、冷静かつバランス感覚をもって情報提供を行う判断力も欠かせない。 マスコミ関係者やグラフィックデザイナーなどのクリエイターと仕事をともにする機会が多いため、マスコミに関する基本的な知識や、クリエイターに指示ができるだけの調整力、説得力も必要となる。企業を代表して外部と打ち合わせするような機会が多いため、対応には充分な気配りや丁寧さなども求められる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 自社Webサイトやソーシャルメディアにコンテンツを投稿・更新する・地域・消費者・従業員・公益団体の代表者との協力関係を構築・維持するを極める — AIでは代替できない領域
  • メディアからの情報提供依頼に対応し、適切な広報担当者や情報源を指定するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 文章力・説明力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

広報・PR担当の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 45% 人間 55%

業務の45%でAIが活用されていますが、残り55%は人間ならではの対応が求められています。

業務ごとのAI浸透度

広報・PR担当の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

7
AIが担う業務
11
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

98% メディアからの情報提供依頼に対応し、適切な広報担当者や情報源を指定する
AI主導
94% 製品テストや市場性評価のための市場調査・世論調査を計画・実施し、結果を顧客や経営陣に報告する
AI主導
93% 組織の目的・宣伝方針・ニーズを分析し、世論に影響を与える広報戦略を立案する
AI+人間
92% 組織の実績・方針・環境責任に対する好意的な評価を維持するための広報プログラムを計画・指揮する
人間主導
74% クライアントのプロモーション用プレスリリースやメディア向け文書を作成する
AI+人間
73% 社内報や株主向け報告書などの組織刊行物を作成・編集する
AI+人間
67% 顧客担当者に対し、一般市民や従業員との効果的なコミュニケーションを指導する
AI+人間

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

自社Webサイトやソーシャルメディアにコンテンツを投稿・更新する
地域・消費者・従業員・公益団体の代表者との協力関係を構築・維持する
トレンドや主要課題の把握、経営判断の助言のため他の管理職と協議する
製品・サービスの認知向上のため公開イベント・講演・コンテスト等を企画する
環境・公共安全等に貢献する組織活動の広報計画や資料を作成する
制作・サポート担当者と協議し、広告やプロモーションの制作を調整する
広告代理店やスタッフと協議し各種メディアでのプロモーション企画を行う
広報目的のスピーチを作成または実施する
環境管理に関する事故や紛争への広報対応を調整する 補助
環境技術・サービスのマーケティングキャンペーンを企画する 補助
クライアントの製品やプロモーションに必要な広告枠・広告時間を購入する 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

55%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力、傾聴力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「役員等に対して記者会見等に向けた説明を行う(事前レク)。」「一般消費者など外部からの問合せに対応する。」「寄附の受付や対応を行う。」

AIは補助まで 責任判断

ある程度求められる責任を伴う判断が求められる

この仕事では意思決定の自由、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「法令遵守やCSR(企業の社会的責任)活動等の状況に関する報告書を作成する。」「自社Webサイトの管理運営を行う。」「予算を管理する。」

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「コミュニケーションミックスなど広報戦略を立案する。」

変化の兆し 関連資格・学歴

高い学歴が求められる傾向がある

業界で変わるAIの影響

同じ広報・PR担当でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 45% 潜在 +35%
金融・保険業
AI化 45% 潜在 +35%
製造業
AI化 45% 潜在 +25%
建設業
AI化 45% 潜在 +25%
卸売業
AI化 45% 潜在 +25%
小売業
AI化 45% 潜在 +25%
不動産業
AI化 45% 潜在 +25%
サービス業(その他)
AI化 45% 潜在 +25%
運輸・物流業
AI化 45% 潜在 +14%
医療・福祉
AI化 45% 潜在 +14%
宿泊・飲食業
AI化 45% 潜在 +14%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく広報・PR担当の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ広報・PR担当でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

電気・ガス・熱供給・水道業 695万円
鉱業,採石業,砂利採取業 687万円
金融業,保険業 614万円
情報通信業 556万円
学術研究,専門・技術サービス業 540万円
不動産業,物品賃貸業 536万円
教育,学習支援業 530万円
製造業 524万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
3.7
E 企業的
3.5
A 芸術的
3.3
I 研究的
3.2
R 現実的
3.1
C 慣習的
3.1

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

広報・PR担当に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
文章力 4.5
2
説明力 4.4
3
傾聴力 4.4
4
他者との調整 4.3
5
読解力 4.3

知識

1
コミュニケーションとメディア 2.7
2
事務処理 2.5
3
日本語の語彙・文法 2.5
4
販売・マーケティング 2.2
5
顧客サービス・対人サービス 2.0

働く環境と雇用形態

働く環境

電子メール ほぼ毎日 83%
座り作業 ほぼ常に 81%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 79%
他者とのかかわり ほぼ毎日 74%
立ち作業 就業時間の半分未満 53%
意思決定の自由 ある程度は自由がある 50%
時間的切迫 月に1度以上 48%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 48%

雇用形態

正規の職員、従業員
72.4%
契約社員、期間従業員
12.1%
パートタイマー
8.6%
派遣社員
5.2%
自営、フリーランス
5.2%
経営層(役員等)
3.4%
アルバイト(学生)
3.4%
アルバイト(学生以外)
1.7%
その他
1.7%

広報・PR担当の将来性とAIの影響

「広報・PR担当はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 45%

AI代替率は45%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

メディアからの情報提供依頼に対応し、適切な広報担当者や情報源を指定する、製品テストや市場性評価のための市場調査・世論調査を計画・実施し、結果を顧客や経営陣に報告する、組織の目的・宣伝方針・ニーズを分析し、世論に影響を与える広報戦略を立案するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

文章力・説明力・傾聴力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

広報・PR担当はAIでなくなりますか?

広報・PR担当がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は45%で、11件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

広報・PR担当はAIに代替される?

広報・PR担当はAIに代替されるのか──AI時代のPR業務:メディア対応や市場分析といった定型業務はAI活用で効率化されますが、経営陣の戦略を社会に伝え、利害関係者の信頼を勝ち取る対話・説得スキルは人間にしかできません。PR担当者の仕事は「データ処理」から「戦略的な対話」へシフトしていきます。

広報・PR担当でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は80%です。すでにAI化されている部分が45%、AI活用で伸ばせる部分が22%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が13%です。

広報・PR担当の将来性は?

広報・PR担当の将来性は──ステークホルダー対応の複雑化:企業のESG対応、多様な利害関係者との調整が増える中で、複雑な経営戦略をステークホルダーに納得させる能力を持つPR人材の需要はむしろ高まります。AI時代だからこそ、人間にしかできない「信頼構築」の専門家が必要とされます。

AI時代に広報・PR担当に必要なスキルは?

AI時代に広報・PR担当に必要なスキル──データ解釈力と対話力:AI生成データの背景にある仮説や限界を理解するデータリテラシー、複雑な経営課題を平易に説明するコミュニケーション力、そして異なる立場の人間の心理を理解する傾聴スキルが必須になります。

広報・PR担当で生成AIをどう活用できる?

広報・PR担当では7件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はメディアからの情報提供依頼に対応し、適切な広報担当者や情報源を指定する、製品テストや市場性評価のための市場調査・世論調査を計画・実施し、結果を顧客や経営陣に報告する、組織の目的・宣伝方針・ニーズを分析し、世論に影響を与える広報戦略を立案するなどです。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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