ITコンサルタントの将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
ITコンサルタントの仕事は、データ入出力の定義やシステムテスト・保守など、AIが得意な領域が着実に広がっています。タスク割り当てや優先度調整といった判断型の業務は、今後も専門知識と経験が必要な領域として残ります。
ITコンサルタントとは
顧客のIT戦略に関して、コンサルティングを行い、提案、助言する。
この職種のAI浸透度は35%。 49件の業務のうち20件でAIが活用され、29件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。
なるには
この仕事に就くためには、情報系や経営系の大学・大学院を卒業し、ユーザー企業、コンサルティング企業、IT企業等で実務経験を積むのが一般的である。多くの場合、ITシステムの構築や運用を長く経験した者か、様々な経営コンサルティングに携わりITの専門能力も高い者が就業する。一方、IT活用が一般的になった昨今では、個別の現場経験を活かしてITコンサルタントになるなど、就業ルートがますます多様になってきている。 顧客のIT戦略のコンサルティングを行ったり、デジタル化を促進したりしながら、実際に顧客にシステムを導入するまでの一連の作業の経験を重ね、スキルを高めていく。また、経営もITも、必要となる知識やスキルは非常に幅広いため、業種や対象とするシステムについて得意分野を持つことが多い。 ITコンサルタントは、顧客、市場、業界、また、関連法規をよく理解し、ITを活用した経営戦略を考えられることが必要である。また、ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、クラウドサービスに関する知識や経験も重要である。 ビジネスや社会の変化を的確に把握しておく必要があり、特にITは技術革新が急速なため、常に新たな技術や製品について情報収集することも大切である。加えて、今使える物の中から最適なITツールを選択できる能力も重要であり、顧客にとって最善の方策を客観的に検討することが求められる。
AI時代に伸ばすべきポイント
- プログラムやシステムの障害を診断し正常動作を復旧する・新たな目的や業務効率化のためにシステムを拡張・改修するを極める — AIでは代替できない領域
- システムが使用する入力データを定義し、出力結果の配布・活用を計画するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 要件分析(仕様作成)・他者との調整の重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
ITコンサルタントの業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
ITコンサルタントの業務の65%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。
業務ごとのAI浸透度
ITコンサルタントの業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
65%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 説明力、傾聴力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
ある程度求められる責任を伴う判断が求められる
この仕事では意思決定の自由、結果・成果への責任、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 合理的な意思決定
具体的な業務: 「プロジェクトの進行を管理する。」
実務経験を通じて身につく知識が活きる
この仕事の原動力: 自律性、達成感
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
正解のない状況での判断力が特に求められる
この仕事では意思決定の自由、優先順位や目標の自己設定、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
具体的な業務: 「顧客のIT投資の戦略を検討する。」「検討したIT戦略をプレゼンする。」「情報システム構築による解決策を検討する。」
高い学歴が求められる傾向がある
業界で変わるAIの影響
同じITコンサルタントでも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくITコンサルタントの給与水準です。
業界で変わる年収
同じITコンサルタントでも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
この職種に向いている人
ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。
人を率い、目標を達成する活動が好きなタイプが向いています。
求められるスキルと知識
ITコンサルタントに求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
近い職種のAI浸透度
ITコンサルタントとキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
ITコンサルタントの将来性とAIの影響
「ITコンサルタントはAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 35%
AI代替率は35%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。
AIが変える業務
システムが使用する入力データを定義し、出力結果の配布・活用を計画する、業務の優先度と目標に応じてタスクを割り当て・スケジュールする、データファイルの使用を監視し、アクセスを制御してコンピュータ内の情報を保護するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
要件分析(仕様作成)・他者との調整・説明力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
ITコンサルタントはAIでなくなりますか?
ITコンサルタントがAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は35%で、29件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。
ITコンサルタントはAIに代替される?
ITコンサルタントの仕事がAIに代替されるのではなく、タスクの質が変わります。データ定義やシステムテストなど定型的な検証業務はAIが担い、ITコンサルタントは顧客の経営課題をシステムで解決する設計役に集中できるようになります。
ITコンサルタントでAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は78%です。すでにAI化されている部分が35%、AI活用で伸ばせる部分が27%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が16%です。
ITコンサルタントの将来性は?
むしろ将来性は高まっています。AIにやらせても品質が下がらない「定型検証」から解放されることで、ITコンサルタントが本当に価値を発揮すべき「経営課題の理解と解決提案」に時間を使える職場が広がるからです。
AI時代にITコンサルタントに必要なスキルは?
ビジネスロジックの理解、顧客経営課題の聞き取り力、複数システムの組み合わせ設計力が必要です。AIが生成した設計案を検証・修正できる技術判断力も重要になります。
ITコンサルタントで生成AIをどう活用できる?
ITコンサルタントでは20件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はシステムが使用する入力データを定義し、出力結果の配布・活用を計画する、業務の優先度と目標に応じてタスクを割り当て・スケジュールする、データファイルの使用を監視し、アクセスを制御してコンピュータ内の情報を保護するなどです。
この職種に影響するAI動向
実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細