運用・管理(IT)の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

34% AI浸透度(AI代替率)

IT運用・管理の日々の仕事―バックアップ監視、メール設定確認、ネットワーク稼働状況チェック―は、AIが自動監視・自動修復できる領域が広がっています。一方、異常検知後の『原因判定』や『経営への影響報告』は、人間の判断が欠かせません。

運用・管理(IT)の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 34%
AIが関与するタスク 6件 / 20件
人間中心のタスク 14件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 34%
求められるスキル 傾聴力・読解力・説明力

運用・管理(IT)とは

サーバー等情報システムがトラブルや不具合で停止することなく安定して稼働するよう運用・管理する。

この職種のAI浸透度は34%。 20件の業務のうち6件でAIが活用され、14件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。

なるには

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、高卒で入職するケースは少なく、コンピューター系の専門学校、大学卒等が多い。「基本情報技術者」、「応用情報技術者」、「ITパスポート」の資格を持っていると就職に有利である。中途採用では経験者が求められることが多い。 サーバーやネットワークに関する幅広い知識が必要であり、入職後に経験を積みながら取ると良い資格として、独立行政法人情報処理推進機構(lPA)の「基本情報技術者」、「応用情報技術者」、「ITサービスマネージャ」がある。その他、「ITILファンデーション」(運用・管理に関する知識を証明する世界共通の資格)、LPIC(Linux技術者認定資格)やCCNA(Cisco Certified Network Associate、ネットワークエンジニアの技能認試験)などもある。 入職後には、主に現場でのOJTを通じて情報システムのバックアップ、情報システムの稼働やログファイルの監視、障害時の復旧など一通りの業務を学ぶ。業務内容や会社の規模によって、チームで分担して運用・管理を行う場合と、1人で運用・管理を任される場合がある。 その後のキャリアに関しては、現場経験を積み現場のリーダーとなり、さらに地方を統括するリーダーや本社の管理職になっていくケースと、上記資格を取得するなどし、ネットワークやサーバー構築等の運用・管理のスペシャリストとして活躍するケースがある。また、社内の人事異動によりプログラマー等に異動するケースもある。 この仕事から転出する場合、企業規模の異なる同業他社に転職する者や、他の業界のIT部門へ転職する者、プログラマー等のIT関連の別の職業へ転職する者等がいる。 仕事をする上ではチームワークや職場の上司・同僚、顧客とのコミュニケーションが不可欠であり、状況の共有や問題解決のために、的確に説明できることが必要である。運用手順書等を更新できることも求められる。また、障害時に迅速に問題解決できることも必要である。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • コンピュータネットワークおよびハードウェア・ソフトウェア等の関連環境を保守・管理する・データバックアップおよび災害復旧作業を実施するを極める — AIでは代替できない領域
  • ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークの問題を診断・解決し、必要に応じて部品を交換するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・読解力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

運用・管理(IT)の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 34% 人間 66%

運用・管理(IT)の業務の66%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

運用・管理(IT)の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

6
AIが担う業務
14
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

94% ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークの問題を診断・解決し、必要に応じて部品を交換する
人間主導
91% コンピュータハードウェア・ネットワーク・OSソフトウェアを設計・構成・テストする
90% PBXやボイスメール等の音声通信サービス・機器の導入と技術サポートを行う 補助
人間主導
83% データ・ソフトウェア・ハードウェアを保護するネットワークセキュリティ対策を計画・実施する
AI+人間
72% 設備の稼働記録を分析し、修理・交換の必要性を判断する
70% システム・ネットワーク構成の改善策を提案し必要なハード・ソフトを特定する
人間主導

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

コンピュータネットワークおよびハードウェア・ソフトウェア等の関連環境を保守・管理する
データバックアップおよび災害復旧作業を実施する
メールアプリケーションやウイルス対策ソフトの設定・監視・保守を行う
マスターコンソールを操作してコンピュータシステムとネットワークの稼働状況を監視し、ネットワークアクセスを管理する
ネットワーク性能を監視し、調整や将来の変更の必要性を判断する
既存システムの問題解決についてネットワーク利用者と協議する
ネットワークの起動・停止手順を実行し、管理記録を維持する
テープやディスクを装填し、ソフトウェアや用紙をセットする
コンピュータシステムの使用方法を指導する
ネットワーク機能のログと保守・修理記録を管理する
顧客ニーズに関するデータを収集しシステム・ネットワーク要件を評価する
取引先および社内担当者と連携し、購買業務を円滑に進める
緊急修理用の部品在庫を管理する 補助
セミナー参加や業界誌の購読等で新技術を調査し、導入または導入提案を行う 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

66%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

具体的な業務: 「ユーザーやヘルプデスクからの問合せに対応する。」「リモートで対応できない場合、クライアントのところに行き、復旧作業等を行う。」

AIは補助まで 責任判断

ある程度求められる責任を伴う判断が求められる

この仕事ではミスの影響度、意思決定の自由、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 合理的な意思決定

具体的な業務: 「クライアントの情報システムをリモートで運用・管理する。」「ユーザー権限を管理する。」「IT内部統制の管理業務を行う。」

AIは補助まで 暗黙知

実務経験を通じて身につく知識が活きる

この仕事の原動力: 自律性

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 関連資格・学歴

基本情報技術者、応用情報技術者、ITサービスマネージャーなどの関連資格があると有利

業界で変わるAIの影響

同じ運用・管理(IT)でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 34% 潜在 +44%
金融・保険業
AI化 34% 潜在 +44%
製造業
AI化 34% 潜在 +32%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく運用・管理(IT)の給与水準です。

業界で変わる年収

同じ運用・管理(IT)でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

R 現実的
3.6
I 研究的
3.3
C 慣習的
3.1
E 企業的
2.9
S 社会的
2.8
A 芸術的
2.6

手を動かし、具体的なモノを作ることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

運用・管理(IT)に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 4.2
2
読解力 4.2
3
説明力 3.9
4
指導 3.9
5
文章力 3.8

知識

1
コンピュータと電子工学 2.7
2
事務処理 2.2
3
通信技術 2.1
4
顧客サービス・対人サービス 1.6
5
コミュニケーションとメディア 1.6

働く環境と雇用形態

働く環境

空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 80%
電子メール ほぼ毎日 80%
他者とのかかわり ほぼ毎日 76%
座り作業 ほぼ常に 74%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 51%
反復作業 就業時間の半分未満 49%
機械やコンピュータによる仕事の自動化 ある程度自動化されている 49%
競争水準 全く 競争的 ではない 47%

雇用形態

正規の職員、従業員
66.1%
自営、フリーランス
19.4%
契約社員、期間従業員
9.7%
パートタイマー
6.5%
派遣社員
4.8%
経営層(役員等)
4.8%
アルバイト(学生以外)
1.6%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • ITサービスマネージャー
  • ITILファンデーション
  • LPIC
  • CCNA
  • ITパスポート

運用・管理(IT)の将来性とAIの影響

「運用・管理(IT)はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 34%

AI代替率は34%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークの問題を診断・解決し、必要に応じて部品を交換する、コンピュータハードウェア・ネットワーク・OSソフトウェアを設計・構成・テストする、PBXやボイスメール等の音声通信サービス・機器の導入と技術サポートを行うなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・読解力・説明力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

運用・管理(IT)はAIでなくなりますか?

運用・管理(IT)がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は34%で、14件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

運用・管理(IT)はAIに代替される?

運用・管理の『見守る』仕事の多くがAIに置き換わります。ただし『この障害は重大か、軽微か』を判定し経営層に報告する責任は人間に残ります。

運用・管理(IT)でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は78%です。すでにAI化されている部分が34%、AI活用で伸ばせる部分が28%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が16%です。

運用・管理(IT)の将来性は?

AI自動化により日中の定型業務から解放され、稼働を『システム設計の改善』や『セキュリティポリシー策定』に割くことができます。戦略的な運用設計ができるIT人材の価値が高まります。

AI時代に運用・管理(IT)に必要なスキルは?

ネットワーク全体の構成理解、障害の事業インパクト評価、経営層への説明スキルが必須です。AIが異常を検出したら『本当に対応すべき問題か』判定できる知識が必要です。

運用・管理(IT)で生成AIをどう活用できる?

運用・管理(IT)では6件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はハードウェア・ソフトウェア・ネットワークの問題を診断・解決し、必要に応じて部品を交換する、コンピュータハードウェア・ネットワーク・OSソフトウェアを設計・構成・テストする、PBXやボイスメール等の音声通信サービス・機器の導入と技術サポートを行うなどです。

この職種に影響するAI動向

実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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